クリニック研修レポート【薬剤師 男性 26歳】 2010/05

入社して半年、大丸店で一通りの業務をこなした後での研修でしたが、医師の診察をじかにみることは初めてだったので、薬剤師として学び取れることはたくさんあり、とても勉強になる貴重な1週間でした。

まず、私が興味をもったのは胃カメラの見学です。
普段の薬局では見ることができないことなので、それを経験できたのはとても新鮮でした。
検査に使用していた医薬品に関しては、聞き覚えのある成分名などもありましたが、患者に対しての投薬経験はなかったので、このような医療行為の中でどのような目的で使われているのかがすぐに自分の知識と結びつかないことが多く、説明を受けて初めて思い当たるなど自分の未熟さを思い知らされました。
また、今回使用された医薬品の多くは注射薬であり、投与間隔や患者様への説明などは日ごろ目にしている錠剤でのものとはまったく違うためそれらを聞けたことはこれからの薬剤師の糧となりました。
例えば、胃カメラを入れると反射で胃が痙攣をおこし、動くことで胃の内部が見えずらくなります。
その痙攣をとめ、より胃の内部を見やすくするため普段はブチルスコポラミンを投与するのですが、当たり前ですが、この薬には抗コリン作用があるため、緑内障や前立腺肥大などの疾患をもった方には使えません。
そのような疾患をもった方にはグルカゴンが投与されます。
個人差にもよりますが、グルカゴンはブチルスコポラミンほど胃の動きを止める作用が少ないため、検査中に吐いて気持ち悪くなったり胃が動いて内部が見えずらくなることがあるそうです。
このような話はとても興味深く、今後の自分が薬剤師として服薬指導の際にどのくらい患者さんに説明すべきか。そして、どのような内容を特に患者さんに説明すべきかということをこの研修で学べたのは非常に大きかったように思います。

診察では医師が、どういう症状を訴えている時にどういう薬を処方するのか、またどんなことを患者さまに話しているのかということを中心に耳を傾けていました。
理由は薬剤師が処方箋を受け取った時、その薬の種類や量などから様々な情報を読み取り、また患者さまに薬をお渡しする際も、医師の先生の意図したことをできるだけ考え、それに沿った情報提供をきちんと行う必要があるからです。
もちろん、先生ごとに出す薬の傾向は違うでしょうし使い方も千差万別ではありますが、今回の研修で実際に先生の診察及び処方薬を拝見し、なぜこの症例にこの薬なのかということを学べたのはとても勉強になりました。
その中でおもしろかったのが突発性難聴による治療です。
その患者さまはすでに治療を受けられていたのですが、治療薬にステロイド剤が出ていたのです。
私は耳が聞こえないということの話しか聞いていなく、なぜステロイドなのかと首をひねっていると、先生が「突発性難聴でステロイドが出ているんだよ。」と、教えてくださいました。
突発性難聴とは突然、片方の耳(まれに両耳)が聞こえなくなり、何時何分と申告できることが多いくらい急な発症でおきる病気です。
その治療の第一選択がステロイド剤なのです。
私は先生の話にうなずくことしかできず、そのときは自分の未熟さを痛感するしかできませんが、とても興味深くおもしろかった症例でした。

このように診察から診断までを見学でき、薬の使い方や服薬指導、生活習慣の指導と先生がどのようなことを患者様に説明してるのか得た知識はこれからの投薬の際に役立てたいと思います。

最後になりましたが研修を受け入れていただいた先生、看護師さん、スタッフの皆様にはとても感謝しています。
この研修の経験を確実な知識にしてこれからの薬剤師としての業務に生かしていきたいと思います。

本当にありがとうございました。

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この記事を書いた人

株式会社オーベルが運営する「オーベル薬局」は、地域と共に30年以上。
地域のみなさまに寄り添ってまいりました。
東京都調布市を中心に全国展開しております。
所属する薬剤師の経験も豊富。
患者様ファーストをモットーに、社員一同一丸となり、愛される医療チームとして、患者様をサポートしてまいります。

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