白内障勉強会レポート

目次

目的

白内障のエキスパートである先生に白内障について直接お話を伺い、医学的な知識を得て処方薬についての理解を深め、投薬に生かす。

勉強会内容

スライド・ビデオによる講義、および質疑応答。

実施日時

2008年12月16日 13-14時

勉強会レポート

【薬剤師】1

普段数多くみている処方ですが、一つ一つ経過を追って理解することで、いかに術前、術後のコンプライアンスが重要か分かった。
症状が出てから術後まで、何をするのか、その間どんな薬がどのような理由で出されるのか、そんなことを医師の言葉と食い違うことなく説明出来れば、患者の不安も解消されるはずです。
手術に不安を抱く患者さんは多くいらっしゃいます。
今回の勉強をふまえ、患者さんにも手術を行う医師にも、薬剤師として貢献出来ればと思います。

【薬剤師】2

今回の白内障勉強会を通じて先生の行っているオペの一端を垣間見ることが出来た。
オペをおこなっていることは承知していましたが、実際にどのような内容でどのような経緯でオペへと移行していくか頭を整理することが出来ました。
薬剤師として患者さんに投薬する際に、不安や痛みなど、どのようなことをするのかなどを聞かれることもあります。
その際、勉強会で得た知識は大きな糧となることは間違いありません。
先生は患者さんを診て、聞いて、伝えています。
丁寧に細かく指示をしてくれ、メモ用紙に内容を記載したものも患者さんから見ることもしばしばあります(診断名を漢字で書いていたり、図で詳細を示していたり)。
白内障は外科的なところが大きく、薬剤による治療は維持でしかありません。
薬局では白内障点眼薬が処方された場合、進行を抑える薬であることを明確に伝える服薬指導をおこなう必要があります。
継続して使うことに意味があることをきちっと伝えねばなりません。
あらためて臨床の場をわかる薬剤師であることが必要だと思いました。

【薬剤師】3

まず、白内障の治療にも色々あることを教えていただきました。代表的な治療方法は手術ではあるが、高齢で手術を不安がる方には薬物療法を選択することが多いことを知りました。ただし、薬物療法は手術と違って効果はあまり期待できないことも教えていただきました。一方、比較的年齢の低い方や、高齢でも車の運転などの事情がある方には手術をするとのことでした。
手術前には抗生物質の点眼をおこなうことは、私は始めて知りました。またこの抗生物質の点眼には、抗生物質を点眼しなかった場合との有為な差があるとの報告はなく、エビデンスがある医療行為ではないことを教えていただけたことは、薬剤師としてとても勉強になりました。エビデンスはないものの過去に抗生物質を点眼しなくて起きたトラブルで医療側が敗訴したことがあるので、抗生物質の点眼薬の処方をやめることはできないとのことでした。手術前の処置として抗生物質の点眼薬を投与をされていると思われる患者さんに投薬する場合に、このことを十分踏まえているかいないかではおのずと対応が変わってしまうと思われるので、今後は私も十分注意して点眼をしっかりするよう服薬指導しなければならないと感じました。
手術後にはNSAIDsの点眼薬が処方されることもまた、私は始めて知りました。痛みの緩和はもちろん、虹彩の萎縮を防ぐ効果も期待しての投与であることも教えていただき、これも大変勉強になりました。抗炎症の点眼薬は、これまでそれほど継続にこだわらない薬であるとの認識があったので、もしこのままの知識であれば、白内障の手術後の患者さんに誤った情報を伝えてしまうところでした。今後は手術後の予後を良くする効果があることをきちんと説明して、抗炎症の点眼薬をしっかり使用してもらうようにしたいと思います。
また白内障の手術は日帰りがほとんどではあるが、そうでないこともあることや、取り除いた部分を補完するために人工のレンズを挿入することなども教えていただきました。人工レンズにはピントの調節機能はなく、そのことは事前に十分説明してはいるが、術後に視力の低下を訴える患者さんが多いことは初めて知りました。白内障の患者さんから視力の低下を訴えられたら、このことを念頭に相談を受けるようにしたいと思います。
さらに、手術後、入浴と洗顔は1週間禁止であること。手術後安定するまでは運動や旅行は控えるのが望ましいことも教えていただきました。患者さんから質問を受けた時には、このことを念頭に、医師から何か指示がなかったか確認したいと思います。
普段は小児の薬を扱っているので、白内障の患者さんに投薬する機会はほとんどなく、白内障の治療が実際にどんなものであるかは全くと言っていいほど知識がなかったので、今回の研修は大変有意義でした。
今後は、今回の研修で得た知識を活用して、処方される薬から治療の段階を類推し、投薬時に以前よりも適切な説明をしたいと思います。

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この記事を書いた人

株式会社オーベルが運営する「オーベル薬局」は、地域と共に30年以上。
地域のみなさまに寄り添ってまいりました。
東京都調布市を中心に全国展開しております。
所属する薬剤師の経験も豊富。
患者様ファーストをモットーに、社員一同一丸となり、愛される医療チームとして、患者様をサポートしてまいります。

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